「スオウ」 (11月15日)


蘇芳色、蘇芳襲(カサネ)など古くから日本語に使われているので日本の植物と思 われがちですが、インド・マレー原産のれっきとした熱帯植物です。

種小名の sappan も、英名 Sappanwood もマレーシア名 Sapang (サパン) から きています。
もうひとつの英名 Redwood でも表されるとおり、この木の心材は 赤色色素の Brazilin を含み、赤色染料として有名です。

媒染に明礬を使うと赤、灰汁を使うと赤紫、鉄では紫色に染めることができるそ うです。
そのほか葉は黒色の、根は橙色の染料として使われるとのこと。

日本には古く奈良時代以前から渡来していたとされていますが、今でも草木染に は欠くことのできぬ紅色染料となっています。


スオウ【蘇芳】
Caesalpinia sappan マメ科ジャケツイバラ属

インドネシア、ジャカルタ市郊外で(1975年12月)Photo by K.Iozawa

高さ4〜5m になる常緑低木で、枝に小さい刺がある。

葉は2回羽状複葉で 羽片は10〜13対。小葉は10〜20対で長さ1.5cm ほどの長楕円形。

頂生または腋生の円錐花序を作り、直径2cm ほどの黄色い5弁花を多数つけ る。

莢は長さ6〜8cm 、巾3cm の倒卵形でやや厚く、緑色の種子3〜4個 が入っている。

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