「パウダーパフ」 (11月17日)


ジャカルタに赴任したころは住むところがなく、最初の仕事は社宅の建設でした。
敷地だけはタップリ与えられたので庭を広くとり、手当たり次第に木や草を植え たのです。
近くの荒れ地から掘ってきたマメ科らしい小さな苗がやっと育ってネ ムのような花を咲かせるようになったのは4、5年経ってからのことでしたが、 これがほんのりと紅をさした美しい花で、熱帯植物図鑑と首っ引きで調べた結果、 パウダーパフと呼ばれる花であることがわかりました。

まさしく紅を刷くパフそのもので、日本のネムノキによく似た花ですが、樹高が 低いので常に身近にあり、写真も撮りやすい花です。

あまり日本では紹介されていません。


パウダーパフ【Powder Puff】
Calliandra surinamensis マメ科カリアンドラ属

インドネシア、ジャカルタ市内で(1976年11月)Photo by K.Iozawa

半蔓生の小低木で高さは1.5m ぐらいにしかならない。

葉は偶数羽状複葉で 小葉は10〜15対。
小葉は小さく長さ1.5cm 、巾3mm ぐらい。

葉腋から短い花茎を伸ばし、頭状花序をつくる。
1個の頭花は管状花が数個 集まり、各管状花は10〜12本の長い花糸を伸ばす。
花糸の下部は白色、 上部は淡紅色となり美しい。
花糸は傘型に拡がり、直径5〜7cm になる。

原産地は熱帯アメリカ。

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